駅のホームで見かけたおばあちゃま。
鶯色に細かな黒の模様入りの羽織りの長いものを召して履き物も薄緑。上げた髪の襟足長く、黒のショールをまとっていた。この時代になかなか着物を召した年配者に出会わなくなった。昔は入学式、卒業式には大半の母親が黒の羽織りだった。実家の母親は薄い紫色の訪問着を好んで着ていた。紫色は着る年代を選ばないとのことだった。さすがに今は着ることもないらしいが。
私は夏の絽の着物が好きだが、これまた見かけることもなくなった。浅草界隈に行けばまだ粋に着こなすおばあちゃまがいらっしゃるのだろうが。
いずれにせよあと干支がふた回りする頃には完全に着られない民族衣装と化するんだろう。