感慨

ひたすら車中では食っちゃ寝した函館日帰り旅でしたが、鉄道で道内に入るのは初めてでした。

かつては東京、新潟、八戸、青森、大間、と船で本州を離れて上陸していたものです。
正直なところ、今回は北海道に降り立ったという感覚はあまりありませんでした。
わずかに道路にはためく交通安全ののぼりを見つめて、北海道だなぁとぼんやり考えたものです。
船の接岸する音、重油のにおい、車両甲板の排気ガスでクラクラする感じ。
上陸の一歩はいつもそんな光景です。
観光とはあまり縁のない訪れかたをしているせいかもしれません。

函館山もいつもは船の上から眺めるもので、教会の庭から見上げるものではなかったので不思議な感覚にとらわれました。
あらためて気付いたことは、儀式としての船旅が根底にあったようです。
多分、飛行機で北海道入りしてもこのむずがゆさは残るのでしょう。

何となく横浜か神戸のベイエリアにちょっと遊びに行ってきた、そんな気分です。

波打ちぎわの光景は紛れもなく北のそれでしたが…。

自称にわか鉄ですが、それ以前に旅人としての位置付けが大きなウエイトを占めているのを再認識した1日でした。